みなさま、こんにちは。女装家・なかたにりえ と申します。いつもブログを訪問くださり、ありがとうございます。
受け入れてくれるサークル探しに苦労をしましたが、なんとか見つけることができ、今回はその体験レッスンに出掛けた話をさせていただこうと思います。
※この連載は私の実体験に基づくエッセイです。投稿内容は個人的な感想であり、登場する団体・人物は一部表現を調整しています。
体験レッスンの扉
前回 お話しましたが、フラダンスの体験レッスンに受け入れてくださることとなりました。
迎えたその当日、練習会場にやって来ました。地方の町でありますので、地域の総合公民館にて行われています。
ドアを開けた瞬間、気のせいなのはわかっておりますが、南国ハワイに迷い込んだような感覚です。
中に入ると、男性はもちろんわたし一人。集まった先輩メンバーの女性のみなさま全員がわたしに視線を向けています。
日本のフラダンス人口は約100万人、その大半はもちろん女性であり、男性はわずか800人程度だとのこと。
そんな稀有な存在が、こんな地方の町のフラダンス・サークルに現れた訳ですから、まぁ無理はないことだと思います。
背筋がピンと伸びるのを感じながら、
「よろしくお願いします」
と頭を下げました。先生はにっこり微笑んで
「大丈夫、すぐに慣れますよ」
と言ってくれました。その言葉がどれほど心強かったか…。

踊る楽しさを実感
初日は基本の、“カホロ” というステップから。腰を左右に滑らかに動かしながら、左右に往復する動きになります。
フラでは基本中の基本とも言えるこのステップ、しかし鏡に映る自分の姿は…、うーん、まだまだ固い。
でも、音楽に合わせるうちに、不思議と肩の力が抜けてきます。途中、隣の方が
「ここはもっとゆっくり、腰から」
と小声で教えてくれました。その優しさに、胸の奥が温かくなります。「ここに来てよかった」──そう思えた瞬間でした。

レッスンの最後、全員で振り付けを通してみました。もちろん曲も動きも知らない新人のわたしは、ただただ見真似で動きを合わせつつ、おたおた動き回っている情けない姿。
それでも音楽と笑顔が重なると、心が解放されていく感覚がありました。
気持ちよく体験レッスンを終えたところで、先生から質問を向けられました。
「どうですか、続けられますか?」
その答えに、迷いはございません。
「はい、正式にメンバーに入れてください。よろしくおねがいいたします。」

楽しみと不安を抱えてのスタート
帰り道、ふと鏡に映った自分を見て思いました。
「このステップを、いつか女性の姿で──」
その日を思い描くと、足取りが軽くなりました。
一方で、頭の中には不安も過ります。
それは、「女装でフラを踊りたい」という、わたしの女装家としての夢を、まだ打ち明けていないこと。
しかし、まずはサークル内での信頼関係の構築、そして何よりもフラを美しく踊れるようになること、これがなければ成り立ちません。
次回 は、苦労しながらも、仲間たちから支えてもらえ、とてもうれしかったときの話をさせていただきます。
気を引き締めて、当面は地道に取り組んでいきたいと、思ってます。

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