[女装小説]最愛の姉への思い・第一章「とある日の平日午前」

女装小説

第一章 とある日の平日午前

プロローグ。平日午前、子どもの頃の思い出に浸りながら、あすかが歩いている。

いつもと同じ、平日の朝9時半。清楚な印象を受ける女性が、外を歩いている。
コーデは、白いブラウスに、紺のスカート。やや大人しめの印象か。仕事ではなさそうな雰囲気。この日は、お休みをもらって出かけていそうに見える。

---2024年、田口あすか、26歳。

出勤時とは逆方向の電車に乗って、目的地の最寄り駅に到着。降り立って、久々に見た駅前商店街の風景に、やや懐かしさを感じながら、歩いて抜ける。

5分ほどで右手に学校が現れる。あすかの母校の高校であった。目的地に行くには他に最短ルートがあるものの、いつもあえて、ここを通り過ぎている。

いまは授業中と思われ、門の向こうに人気はほとんど感じられない。

懐かしさが再び沸き上がり、心で呟く。

「あれからもう、9年になるのね。お姉ちゃん...。」

高校時代の出来事、考え始めれば無数にわきあがるものの、あすかにとっては姉との思い出の横に並ぶものはない。いまの自分があるのはすべて当時の姉のおかげと考えても、決して大袈裟とは思えない。

さらに歩き、次に通り過ぎるのは、小さなショッピングセンター。主婦層の女性や、リタイア組と思われるお年を召した方々が、買い物でいっぱい出入りしている。

2階建ての建物内にあるテナントは、スーパーに、雑貨店に、書店。そして、衣料品店。かつてのころから大きな変化は見られないけれど、詳しく見て行くと、店舗の入れ替えはあるようだ。

「あのときのお洋服屋さんは、元気に営業されてるのかしら?」

建物に目をやりながら、少し速度を落とし、考えながら歩いて行く。その中で、この場所で聞いた姉の言葉が、急にフラッシュバックする。

「ひろくん、恥ずかしがってないで、おいで。」

深い絆でつながった家族との楽しかった生活を思い出し、懐かしんだ。

そして通り過ぎ、再び目的地に向かい歩いていったのだった。

(第二章へつづく)

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