女装を家族に打ち明けるべきかどうか?

女装エッセイ

みなさま、こんにちは。いつもブログを訪問くださり、ありがとうございます。

今回は、隠れ女装者としての、わたしの抱える悩み(?)について、語らせていただきます。
カラオケスナックの女性店員さんからかけられた何気ない言葉から、いろいろ考えがめぐってしまい、このまま女装のことを隠すべきかどうしようか...、そんなことを考えている次第でございます。

最後までご覧いただけましたら、うれしいです。

カラオケスナックの女性店員さん

その日は女装姿で、行きつけの居酒屋へ出掛けておりました。

常連さんたちとお話で盛り上がり、閉店後にママさんや他のお客さま数人と、カラオケスナックに出掛けたのでした。
そのカラオケスナックは、以前にも行ったことがあり、もちろんわたしの女装のことも理解くださってます。

けど少々違ったのが、カウンターにいた女性店員さんの中に、初対面の方も含まれていたこと。
入店されたばかりのようで、見たところおそらくまだ30代。水商売は初めてではなさそうだけど、経験値はまだ薄そうな雰囲気。
わたしのような女装者の相手も、初めてのように見えました。


雑談の中で言われた言葉

その店員さん、一応わたしのことに興味をもってくださって、しばし雑談で楽しんでおりました。
そこで、彼女からこんな質問が...。

「ところで、奥さんは女装のことは、ご存じなの?」

わたしは隠れ女装者ですので、家庭では内緒に楽しんでおります。その旨、答えたところ、返って来たのはこのようなコメント。

「それって、奥さんがかわいそう。だって、知らないのは奥さんだけなんでしょ?」

う~ん、思わずわたしは、「...。」

一瞬、間が空きましたが、隣の店員さんがタイミングよく別な話題を振ってくれたおかげで、その場は一応おしまい。
まるで、困っていたわたしをフォローしてくれたかのようでしたが、正直申しまして、ドキッとしてしまったお言葉でございました。


なぜ女装を内緒にしているのか?

家族に内緒で女装を楽しんでいる件は、ずっと前から気になっていたこと。
毎回のお着換えを楽しんでいながらも、内緒にしていることについては正直なところ、罪悪感がどうしても拭えずにいるのです。

ところでこの状況、よくよく考えると、こんな疑問も湧いてきてしまいます。

「そもそも自分は、どうして家族に女装を内緒にしているのでしょう?」


とても大切な時間

振り返ってみますと、中学生時代から楽しんでいるこの趣味。もう40年以上も経っていることになります。間違いなく女装は、わたしの人生にとって、最も大切な時間のひとつなのです。

この趣味に出会えたおかげで、数え切れぬほどの教えられたこともございます。どれだけ心が休まり、どれだけの多くの同好者のみなさまと知り合い、話し合えたことかと。

とはいえ、少し前までは、一つ間違えば人生すべてにも影響を与え兼ねぬ、この上ないナーバスな世界でもあります。まさに、不均衡のうえにに立つもの。だいぶオープンになった昨今でも、こんな考えが未だ根強く残っていますからね。


女装を楽しむ自分と、家族を愛する自分

女装をしながらこう述べるのも、妙なことでありますが、わたしは家族をとても愛しております。
苦楽をともに生活する妻や子は、わたしにとっては、かけがえのない大切な存在なのです。

だから、彼らを傷つけることは、わたしにとっては絶対に許されぬことなのです。

こう思う一方で、隠れて女装を楽しんでしまっている自分がいる...。

このふたつの自分の心と行動に矛盾を感じてしまっているのが、苦悩とも言えるのです。
家族はおろか、自分で自分をもだましてしまっているようにも思えてしまう、今日このごろです。

おそらく、わたしと同じことを思ってらっしゃる女装者さまも、きっと多かろうと...。


隠れ女装者としての最大の難題です

わたしは果たして、いつまで内緒に女装を楽しむのでしょうか?
いつかは家族にすべてを明かす日がくるのでしょうか?その明かしてしまう勇気を、わたしは持てるものなのでしょうか?
それとも、このまま明かさぬまま、墓場までもっていってしまうのでしょうか?

決断をくだすまでの残された時間も、もう長くはなかろうと思います。これは隠れ女装者としての、最大の難題かと。

けど...、迷いが未だ尽きぬものの、心から女装を楽しめるようになるには、答えは限られてそうな気がしてます。

悩みに進展がありましたら、またこの場で、綴らせていただこうと思います。

コメント

  1. しゅう より:

    過去のブログ記事を読んで、なかたにさんは家族公認で女装を楽しまれていると勘違いしており、今回の記事を拝見して衝撃を受けました。

    カミングアウトは本当に難しい問題ですよね。妻帯者だと皆さん「彼らを傷つけることは、わたしにとっては絶対に許されぬことなのです」、同じように悩まれると思います。ネットで「夫 女装」などで検索すると半数以上は離婚や別居といった重い話が多く、私自身も数ヶ月はカミングアウトをためらっていました。

    私はちょうど1年前に女装の世界に入り、初めは下着・服とも自分の部屋で保管していました。下着は朝は自宅トイレで、晩は会社トイレで着替え、洗濯物は自室で干す(洗濯は私の担当だったので、できたことです)、服は家族不在or就寝時に短時間だけ身に付ける、という生活を4ヶ月ほど続けていました。

    こんなことを継続していたら、早晩気づかれるだろうなという不安を毎日抱えていたのですが、昨年末、ストッキングの商品箱を自室の机に置いている状態で、妻が部屋に入ってきました。自分では裏面(ぱっと見で中身が分からない面)にひっくり返したつもりだったのですが、表面(ストッキングの写真が印刷されている面)を上に置いたことに後から気づき、冷や汗をかきました。

    「妻が気づいていたらどうしよう」という不安を抑えることができなくなり、その日の晩に妻と娘(当時小5)に女装趣味をカミングアウトしました。偶然婦人ものを発見されて衝撃を与えるよりも、私から伝えた方がマシだろうという判断でした。結果的に妻からは「ストレス解消になっているみたいだし、良いと思う」、娘からは私の花柄の服を見て「かわいい。自分も着てみたい。パパ着てみて。」という反応が返ってきて、良い意味で力が抜けました。

    夫婦の約束事として「娘の前では、あからさまな女装姿を見せつけない」ことにしていますが、朝晩や就寝時に下着や服を着替えている際に娘が部屋に入って来る(女装姿を見られる)こともあり、かなり恵まれた状況で女性ものを楽しんでいます。非常に幸運な状況だと思います。

    ここまで恵まれた状態ではありますが、毎週こちらの自宅に来る母には伝えられていません。母が来る日(平日)は、自室の婦人服用オープンラックにはカバーを掛けています。何度かカミングアウトしようかと電話したこともありますが、結果的に言い出せませんでした。

    結果的に私は「隠せる相手には隠す、ばれそうな相手には伝える」という選択で現在に至っています。もし、妻子にも確実に隠し続けられるという環境だったらカミングアウトできていたかは分かりません。ネット記事で読んだ「妻にカミングアウトしたが『絶対に女装の痕跡を残さないでほしい、風呂場でブラ紐の跡が見えるのも嫌』と言われました」という記事が自分の中に重くのしかかっているためです。

    長々と駄文を重ねてしまい失礼しました。他山の石としてお聞きいただければ幸いです。

  2. しゅうさん
    いつもコメントをいただき、ありがとうございます!

    家族への女装のカミングアウトは、おそらくわたしの人生にとって、最大級の課題だと思ってます。
    いろんな仲間からの情報では、やはり理解を得られず、家庭不和や離婚にまで及んだ例も伺っているので、なおさら慎重になっています。

    その一方、しゅうさんのご家庭は、とても素敵ですね。
    ご家族のみなさまからの理解を得られているとのことで、おそらく、しゅうさんの普段からの家族に対する真摯な姿勢があってのものかと存じます。
    どうか、これからもいっぱい大事にして、より幸せな家庭を築いていかれますよう、願っております。

    いろいろ相談させていただければ、うれしいです。
    今後とも、よろしくおねがいいたします。

    なかたにりえ

タイトルとURLをコピーしました