女装を理解してくれた天国の従姉への「ありがとう」

女装エッセイ

みなさま、こんにちは。なかたにりえと申します。いつもブログを訪問くださり、ありがとうございます。

今日は、わたしの従姉のお話をさせていただきます。
残念ながら彼女はもう、この世にはおりません。が、わたしの女装ライフにとって、欠かせない思い出として残っているのです。
この場で少し、語らせていただければと思います。

同い年で学年が一つ上の従姉

従姉に関する思い出は、小さい頃からたくさんあります。

彼女はわたしと同い年でしたが、学年は一つ上。子供の頃から仲が良く、わたしにとっては姉のような存在でありました。

小さいころは、遠地に住んでいたため、会えるのはお正月に親の実家に親戚一同が集まる、年1回だけでした。いつも楽しく遊んでいたため、会える前は幼心にいつも楽しみにしていたことを、よく覚えています。

学生時代も別々な学校に通っておりましたが、時々電話で話をしておりました。お互いの近況を報告し合ったり、将来のことを語り合ったりしていました。彼女の彼氏のことを話してくれたこともありました。

お互いに結婚してからはしばらく疎遠になったものの、50歳を過ぎた頃から、また連絡を取り合うようになりました。
LINEで何気ない会話をする、ただそれだけのことなのですが、とても楽しかったのを覚えています。

親族で唯一の女装の理解者

そんな彼女は、実はわたしが親族の中で唯一、女装趣味を打ち明けていた相手でもあったのです。

打ち明けたときのことは、今でもよく覚えています。
正直なところ、打ち明ける時はとても怖かったです。
嫌われるかもしれない。気持ち悪いと思われるかもしれない。もし、わたしのことが悪く思われてしまい、他の親族の者に広められてしまっては、もう元も子もなくなってしまう…。
そう考えると、なかなか言い出せませんでした。

でも彼女は違いました。特別驚くこともなく、
「そうなんだね」
と、受け止めてくれたのです。
わたしは拍子抜けすると同時に、とても安堵しました。

それからは、若い頃の女装の思い出を話したり、女装した写真を見てもらったりするようになりました。
女装はわたしが長年、一人で抱えてきた趣味であります。身近な立場の誰かに話せることが、こんなにも嬉しいものなのかと思いました。
おそらく彼女も、こういう生き方を持つものの世界に、従前から興味があったようにも思えます。

女装姿を見てくれたときのこと

ある時、彼女が私の実家に泊まりに来た機会がありました。そのときわたしは、思い切って、女装姿を見てもらうことにしました。

今思い返しても緊張します。何十年も隠してきた姿ですから。

ところが彼女は、私の姿を見るなり笑顔でこう言いました。
「きれい」
たった三文字です。
でも、その言葉は私の心に深く残りました。


若い頃から私は、自分の女装趣味をなかなか受け入れることができませんでした。
何度も自分を責めました。何度もやめようと思いました。
だからこそ、その一言は本当に嬉しかったのです。
上手く説明できませんが、自分の存在を認めてもらえたような気がしました。

今でも、その時の彼女の笑顔を思い出すことがあります。

突然の癌の宣告、そして...

それからしばらくして、彼女からLINEで連絡がありました。

癌が見つかったとのこと。しかも、余命宣告を受けたというのです。

わたしは頭が真っ白になりました。
あんなに元気だった人が。あんなに明るかった人が。なぜ。
そんな思いばかりが頭の中を巡りました。

それでも彼女は、LINEではいつも通りでした。むしろわたしの方が励まされていたような気がします。

本当は苦しかったと思います。怖かったと思います。
それでも弱音を吐かず、いつもの彼女でいてくれました。

そしてある日を境に、連絡が来なくなり、嫌な予感がしておりました。

その、ほんの数か月後、ご家族から訃報を知らされました。
わたしは言葉を失いました。

もっと話をしたかった。もっと感謝を伝えたかった。もっと一緒に笑いたかった。
そんな思いが今でも残っています。

未だに時々、昔のLINEのやり取りを思い出すことがあります。
あの時こう言っていたな。こんな話で盛り上がったな。
そんなことを考えていると、不思議と少しだけ温かい気持ちになります。
きっと彼女は、私の人生の中で大切な足跡を残してくれたのでしょう。

支えてくれてありがとう

そして今日は、このブログを読んでくださっているみなさまに、一つだけお伝えしたいことがあります。

もし皆さんの周りに、信頼できる友人や仲間がいるなら、そのご縁を大切にしてください。
もしまだ見つかっていないなら、焦らなくてもいいので、少しずつ探してみてください。

女装という趣味は、ときに孤独です。わたし自身、長い間そうでした。
誰にも話せない。理解してもらえない。
そんな思いを抱えながら過ごしてまいりました。


でも、一人でも理解者がいるだけで人生は変わります。
話を聞いてくれる人。笑わずに受け止めてくれる人。
そんな存在がいるだけで、心はずいぶん軽くなるものです。

わたしにとって、その一人が、従姉なのでした。
だから今でも感謝しています。

そして願っています。
どうか天国では病気の苦しみから解放されて、自由に過ごしていてほしい。
わたしが大好きだった、あの優しい笑顔のままで。

そして、いつかまた会えた時には、
「りえちゃん、元気だった?」
そんなふうに声を掛けてくれたら嬉しいなと思っています。

わたしがこれまで女装を楽しめて続けてこられたのは、彼女をはじめとした多くの理解者との出会いと支えがあったからだと、強く感じております。

幸せな人生を送らせてくれて、「ありがとう」と伝えたいです。

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