女装をはじめたころの思い出 その14

女装ライフ

みなさま、こんにちは。いつもブログを訪問くださり、ありがとうございます。

わたしの女装についての思い出を、お恥ずかしながら語らせていただいております。今回は、多くの人が行き交う街中を勇気をふり絞ってはじめて女装姿で歩いたときの思い出、これを振り返って語らせていただこうと思います。

前回の話(その13)も、もし興味を持っていただけましたら、以下を参照くださいませ。

見てもらいたい気持ちの高まり

それまでは、人目が少なく静かな場所を捜し歩いて、ひとりでこっそり楽しんでいた女装外出。
それはそれで楽しくはあったのですが、どこかもの足りなさも感じてきていたのでした。

せっかくだからもっと行動して冒険してみたい。
恥かしさはあるけれで、だれかに見られてもみてみたい。
経験を重ねると、たいていの女装者は同じようにこんなことを思いますよね。

わたしも例にもれず、同じですよ。
思い切って街中へ繰り出してみることを思い立ったのでした。

思えば子供のころから憧れていた女装。
長い時間を経て、ようやく自分の殻を破ってここまで勇気が出て来たのですから。
これまで自分の中で潜めていた願望をかなえる、大決断なのでありました。


ショッピングモールへ向かったのでした

ひとたび決めたら、綿密な行動計画立案に入ります。どんなことでも事前の計画は成功には欠かせませんからね。

で、ターゲットとしたのは、某近隣市街の中心に位置するショッピングモール。比較的人が少ない平日午前の時間帯を狙っての決行です。

車で向かい、もちろんふつうの買い物客を装い、モールに併設する立体駐車場に車を停めます。
駐車後は後部座席に乗り込みます。こそこそ隠れながら、この日のために新しく買ったワンピを取り出して、お着換え&メイク。いつもの胸が弾む時間です。

狭い車内での準備は既にお手のものながら、今回ちょっと違うのは、ひとつ車外に目を向けるとすぐ近くに人がいる、という緊張感ある状態。
いつも以上に胸が弾みながらの変身でありました。

お着換えとメイクが済んで準備完了。
いざ車外に出るときには、もちろんがごとく緊張が走りましたよ。けど、もう実行あるのみ!
迷いを捨てて外に出て、周りを見ずに駐車場からモールの入り口へと、一気に歩いて行ったのでした。

ここで誰かに見られたのだかどうだかはわかりません。
ただ、駐車場内をわたしの歩調と同期して鳴り響くヒールのコツコツ音だけは、鮮明に覚えております。


いよいよモール内を歩きます

さぁ、いよいよモール内に突入しました!もう後には戻れません。

案の定、人がいっぱい行き交ってます。お買い物中のお客さんはもちろんのこと、お店の店員さんや関係者らしき方々などなど。男性の方も女性の方もいらっしゃいましたが、時間帯からか、わたしよりも年上のお姉さま方が多かったように思います。

この中を、男性でありながら女性の姿に身を纏っている自分が、存在しているのです。

「果たしてこの方々から、わたしははどう見られているんでしょう?」

どう見ても普通の街中ではあり得ない絵図でしょ、なんて不自然さを自覚しつつ、うろうろ歩き始めました。

左腕にハンドバッグを掲げ、ワンピのスカートを翻しながら、ややうつむき加減で歩きます。
通路にあるガラスに映る自分は、明らかなる ”女装している男性” の姿。うれしくも恥じらいも感じながら、ドキドキが止まりません。

「あまり目立ちませんように...。」


お洋服のお店を外から眺めたり、ときおりベンチに腰掛けてスマホを眺めたりしながら。不審者のごとく落ち着かず、しばらくは館内をうろうろしておりました。

「この中の全ての人から、『変な人』って目で、見られているんだろうな...」

人って他人のことなど関心がないもの

奇異な目でジロジロ見つめられることなど、とうに覚悟し、この姿でこの場に出て来ているのです。

「たとえ、どんな目で見られようと、なにを言われようと、女装家として堂々と振舞ってみせますよ。」

こんなことを事前に自分の心に誓っておりましたが...、さて、落ち着いて周囲を確認すると、実際はどんな状態でしたでしょう?

わたしの女装姿を見て「おや?」って感じで、振り返ったり二度見する方がいらっしゃることは、感じておりました。

けど...、所詮はそれ以上のことなど、なにもないのですよね。
ほとんどの人はわたしのことなど目もくれず、ただの見知らぬ通りすがりの人のようにやり過ごしてくれているのです。
まるで事前の心配など必要なかったようにも、思えてしまうくらいなのでした。

他人の心の中までは見えませんので、気付かれたのかどうかまでは、わかりません。ただ事実として、わたしが心配していたほどのインパクトは、ほとんど感じられていなかったようで。なんとなく、拍子抜け感が漂ってきました。

そうなのです!要するに、自分に注目してくる他人なんて、自分が心配するほど多くはない、ということなのですよね。
余計な心配だったんだなって、気付かされてしまった形となりました。


終わってみたら爽快でした

大抵の他人は、見ず知らずの自分にはたいして関心がないもの。これが自覚出来たそのあとは、街中のお散歩を非常に楽しむことができました!

ワンピ姿で堂々と歩くのって、とても気持ちがいいのです。清々しい気持ちで、うろうろとウィンドウショッピングを楽しんできましたよ。
お洋服屋さんに立ち寄って、女性店員さんとお話なんかもしたりして。女装のわたしを受け入れてくれることが、どんなにうれしかったことか。

その後と言えば、しばらく歩いて車に戻り、そのままの姿でちょっとドライブ。

街中で写真を撮っていなかった(と言いますか、他の方に写真をおねがいする勇気は、まだありませんでした)ので、余韻に浸りながら近くの公園でひとり撮影会を行ったのでした。

ひとつ大きな前進を実感したこの日。
ほんとうに、心地良い1日でした。いい思い出です。


達成感を得て、外出機会も増加

こんな経験を経たおかげでしょうか、その後のわたしの外出機会はぐんぐん増加したのでした。ある種の、壁を乗り越えた達成感なのでしょうね。

何でもそうなのですけど、ひとたびブレイクスルーを行えれば、その後はいい方向に加速していくものです。
この年の秋には観光地に出掛けたりなど、大いに楽しめたものでありました。

そうはいっても、まだ固さが完全にとれたわけではなかったようです。
写真の表情は、未だこわばり気味。(笑)


籠ることの無意味さを知りました

それにしても、この日はとってもいい教訓を学ぶことができました。
他人って、自分が思っているほど、自分のことなど見ていない!
よく聞く言葉ながら、これを自分自身で実証した形となりました。

ひとりで籠って想像を膨らませて考え、心配まで膨らませてしまうことなど、ほとんど無意味。人は、所詮は他人に関しては、たいして関心などないのです。

自分がしたいと思ったことは、他人に迷惑をかけない範囲で、遠慮せずにやっちゃえばいいのです。わたしが持っていた昔の常識は、完全に薄まってますね。これは昨今の風潮の影響も大きいと思いますけど。

わたしの人生初の街中での女装外出は、こんな感じでございました。

ただ、ひとつだけご注意を。これがもう少し地方の古い街となると様相が違ってきちゃうものでして、わたしはここで調子に乗っちゃって、後日痛い目を見る場面がありました。この話はまたそのうちに...。


なんだかんだで、限りある人生ですから、これからも心から女装を楽しみながら生きて行きたく、思っている次第です。


みなさま、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。つづきもございますので、読んでいただけましたらうれしいです。

今後ともよろしくおねがい申し上げます。


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