「やってみたら悩みも案外どうってことないかもしれない」~女装と闘病のふりかえり(07)

女装ライフ

みなさま、こんにちは。いつもブログを訪問くださり、ありがとうございます。

これまでや今後の人生を考えたり、最近の様子や思ったことなどを、シリーズ的に自由に綴らせていただいてます。前回のお話も、もしご興味あればお立ち寄りいただけましたらうれしいです。

今回ですが、旧知の男性友人に初めて女装姿をお披露目した出来事について、お話させていただきます。

見ず知らずの人を相手に自分の女装姿を晒すことには、それほどの抵抗を感じなくなってはおりましたものの、これが旧知の仲の人、それも男性の友人が相手となると、女装者にとっては心の壁が感じられるものなのです。

この壁を乗り越えられた一件でございますが、最後まで読んでいただけましたら、とてもうれしいです。

居酒屋でのごくふつうの男性友人

その日は、よく行く知り合いママさんの居酒屋さんに、飲みに出掛けておりました。場所は大阪になります。

ここのママさんはわたしのことをよく理解くださっており、いろんな面で配慮やサポートをしてくだる、素敵な方なのです。何度か女装で飲みに出掛けたこともございます。

お店で通常の男モードでママさんと気軽なおしゃべりをしていたところ、そこに男性の友人が入店。

彼は、いわゆるお店の常連さんで、わたしとももう何度もしゃべり慣れた、飲み友達といった感じになります。

ちょっと年上っぽくて、わたしと違い、とても話し上手。軽快トークでいつもお店全体を盛り上げてくれ、また非常に気づかいができる方で、お店では人気者となってます。

「どうも、お久しぶり!」

といった感じで声がけしてくださり、いつもながらのくだらない話をして、飲みながら盛り上がっていたのでした。

「二次会はお着換えして来ちゃいなさいよ!」

だいぶ時間も過ぎ、お店の閉店時刻を迎えたころのこと。

盛り上がっていた勢いで、残っているお客さん数人とママさんも含め、そのままみんなで二次会へ行く流れとなりました。

わたしもこういう楽しい場は嫌いではないものですから、みなさんとご一緒させていただこうかと思っていたところ...、人目をはばかるようにママさんがわたしのそばにやってきて、耳元で小声でこそっと、なんと衝撃的なおことば。

「二次会はお着換えして来ちゃいなさいよ!」

...えっ!


もちろん、お店のお客さまや世間の方々に(恥かしげもなく)女装姿を晒したことは何度もございますが、これまでのそれらはすべて、最初からお着換えしていたうえでの出来事。

今回の様に、

これまでふつうの男性として接していた男性友人に女装を見せてしまうというのは、まったくの初体験となります。


邪魔をする固定観念

ママさんのお言葉には驚いてしまいました。男性友人に女装をみせるのは、やはり抵抗感を感じてしまいます。

おそらくこれも、”男は強くあるべきもの” といった固定観念が邪魔をしてそうに思います。

ずっと男としておたがい付き合ってきた男性友人に対し、女装姿をお披露目する行為。なんかそれまでのプライドを自ら崩してしまうような感じでしょうか。


そうはいっても、自分の本心は女性の衣服を身に纏っている、この時間にあり。このままいろんな知人に自分自身の本音を隠し持ち続ける人生にも、違和感を感じ始めていた時期でもございました。

少し迷ったけど意思を固めました

このような迷いが生じてしまいましたものの...、
女装外出の経験値も高くなり、だいぶ恥も外聞もなくなってきました昨今です。ママさんの提案も、自分が成長できるチャンスなのかもしれない!

こう思い直し、二次会は女装姿で参加することで、意思を固めたのです

いよいよ男性友人に対して女装趣味を明かすという、初めての機会を迎えることとなりました。


そうと決まれば、準備を急がねばなりません。友人を含めたお店のみなさんには少し遅れて二次会に参加する旨を伝え、一旦はお着換えのために自宅に向かいました。

お着替えした姿で二次会会場に入店

さて帰宅後は、急いでお着換えしてメイクタイム。メイク中はなんとなく、いつもとは違う緊張感がございました。せっかくのお披露目なので、きれいに見られたいものですからね。


一般女性のデート前って、ひょっとしたらこんな感じなのかもしれませんね。

ウィッグも被って、女子モードが完成。再び夜の街を歩き、二次会へ向かったのでした。

歩いて辿り着いた二次会会場のお店。この扉の先には、長年尻込みしていた壁が、待ち構えているのです。

でも、ここまで来てこわがっていても仕方なし。えいやぁ、で入ってしまいました。

驚きのあとは即歓迎モード

もちろん二次会は既に始まっており、こんどはみなさん、カラオケで盛り上がっていた最中。

そこに現れた、謎の女装者...、わたしです。


”このひとはだれ?”、”なんかさっきまで観たことがあるような?”、的な雰囲気の中、これがわたしであることを、ママさんから紹介くださいました。

みなさん驚きのご様子。もちろん、友人の彼も同じです。

ママさんからのフォローもいただきながら、わたしが兼ねてから女装趣味を楽しんでいることを、みなさまにお伝えしたのです。

一瞬だけ、少し静かになった空気が重く感じましたものの...、でもそれはほんとうに一瞬で通り過ぎ、すぐに歓迎モードへと変化。多くの方から

「きれいですね!」

とのお言葉をいただくことができました。これでもう、わたしはご満悦♪


ところで、ほかのお客さま方はよしとして、気になっていた友人の彼の反応は、どうだったのでしょうか?

友人とは、さらに仲良くなれました

はい、心配はいっさい御無用、でございました。

彼もみなさんと一緒に、歓迎の言葉をくださいました。蔑視することなどいっさいなし。ほんとうに安堵いたしました。

それどころか、

「ずっとひとりで隠して我慢していて、苦しかったんじゃない?」

との、彼らしい気遣いの言葉まで。

また、その後もわたしのことを大変持ち上げてくださって、その場をおおいに盛り上げてくれたのでした。このあたりも流石なところです。

その後しばらくし、会場で彼とふたりで話す時間もありましたが...、
一次会とほとんど同じく、相変わらずのあまり意味のない話で盛り上がっておりました。
変わったのは、わたしの身に着けているものが女性服であるという、ただそれだけ。


ごく自然な友人であることは、お互いに一切の変わりはありません。少し前に抱いていた心配など、まったく不要なものであったことを自覚したのです。

なんかとても安心し、かえって友人との距離感が少し縮まったように感じました。

案外どうってことないことを教えてくれたみなさまに感謝

このように旧知の男性友人に女装を晒すことは、なんら抵抗もなく、呆気なく終わったのでした。完全な、わたしの心の中の独り相撲でございました。(^^;

思い返せば、固定観念が強過ぎて長年感じていた壁を乗り越えられた達成感...、なんて重たいものもほとんど感じないくらい、呆気ないものでしたね。やってみたら、案外どうってことがないものでありました。

まだまだわたしにも、この歳ながらも、成長の余地があるんじゃないかな?


もちろん、友人の大きな心に感謝するのは当然のこと。

加えて、はち切れられず臆病なままでいたわたしの心に対し、ママさんが一歩前に進む機会を与えてくださったものとも理解いたしました。

自分の本音を出すことで、さらに多くの方々が支えてくださるようになる、こんな世の中の循環と寛容さを感じた出来事でございました。

またみなさまとこれからも、いっぱい楽しく飲んで過ごせる時間を持てるよう、心から願う次第であります。

みなさま、ありがとうございました。

続編もございますので、こちらも読んでいただけましたら幸いです。

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